ボトックス
もうご存知の方も多いと思いますが、
先日美容医療でおなじみのボトックスについての
ニュースが流れました。
http://www.47news.jp/CN/200801/CN2008012501000250.html
「米国の消費者団体「パブリック・シティズン」が、
顔のしわを取る美容整形や筋肉を弛緩させる治療で使う
ボツリヌス菌毒素の注射薬で、重大な副作用が発生しているとして、
医師や患者に警告を出すよう米食品医薬品局(FDA)に
要請した。」
「呼吸器の障害による死亡例も16例報告されていて、
少なくとも1件は美容目的での使用だという。」
FDAやボトックスの日本における製造販売元である
グラクソ・スミスクライン社から正式なコメントは
ありませんが、どうも今回の報道はフライング気味に思えます。
報道が中途半端すぎて、「重大な副作用」の発生状況、原因、
ボトックスとの因果関係についての詳細が伝えられていないため、
いたずらに不安を煽るだけになっています。
どうせ報道するなら読者が正確な判断ができるよう
報道すべきでしょう。
米国ではボトックスは日本と比べはるかに多量に使われています。
ボトックスの適応も美容目的だけでなく、
顔面痙攣、斜頚、顔面神経麻痺、偏頭痛など多岐にわたっています。
呼吸器障害が起こったということは、
1)頚部に注入して横隔神経麻痺になった。
2)多量に注入して全身に作用が及んだ。
3)アナフィラキシーショックで急性呼吸不全を起こした。
などが考えられますが、
1)、2)は通常の日本の美容外科でのボトックス治療では
有り得ない話です。
頚部に注入することはあってもごく浅い皮下へであって
神経があるような深部ではありません。
また使用量も極量をはるかに下回る量でしかありません。
日本での副作用の情報はグラクソ・スミスクライン社のサイト
http://glaxosmithkline.co.jp/medical/excl/botox/04.html
で見られますが、
呼吸器障害は2932例中「鼻閉1例」、「痰1例」、
「息苦しい1例」、「咳1例」、「鼻出血1例」で
すべて発生頻度は0.03%にすぎません。
重症な呼吸器不全は報告されていません。
死亡については「痙性斜頸の国内臨床試験において
本剤との因果関係が完全には否定しきれない突然死が
1例報告されている。」のみです。
どうも斜頚など頚部の治療で使われたときに
副作用も多いようなので
米国での「重大な副作用」もそういう状況下で
多くは起こったのではないかと推測されますが、
現時点では詳細は発表されていません。
3)はどんな薬剤でも可能性はあるのですが、
少なくともボトックスが他の薬剤より危険だとはとうてい思えません。
むしろ逆でボトックスはアレルギーの発生も
極めて少ないというのが率直な印象です。
私はボトックスが日本で使われるようになってから
ずっとその診療に携わってきましたが、
ボトックスに対するアレルギーは教科書的には知っていても、
実際には見たことも聞いたこともありません。
FDAの正式なコメントが出てからまた改めて書きますが、
ボトックスは現在のような適応、量で使用する限りにおいて
極めて安全な施術であるとの認識に変わりはありません。
すべての薬剤が適正に使われるべきですが、
それはボトックスに限った話ではありません。
先日美容医療でおなじみのボトックスについての
ニュースが流れました。
http://www.47news.jp/CN/200801/CN2008012501000250.html
「米国の消費者団体「パブリック・シティズン」が、
顔のしわを取る美容整形や筋肉を弛緩させる治療で使う
ボツリヌス菌毒素の注射薬で、重大な副作用が発生しているとして、
医師や患者に警告を出すよう米食品医薬品局(FDA)に
要請した。」
「呼吸器の障害による死亡例も16例報告されていて、
少なくとも1件は美容目的での使用だという。」
FDAやボトックスの日本における製造販売元である
グラクソ・スミスクライン社から正式なコメントは
ありませんが、どうも今回の報道はフライング気味に思えます。
報道が中途半端すぎて、「重大な副作用」の発生状況、原因、
ボトックスとの因果関係についての詳細が伝えられていないため、
いたずらに不安を煽るだけになっています。
どうせ報道するなら読者が正確な判断ができるよう
報道すべきでしょう。
米国ではボトックスは日本と比べはるかに多量に使われています。
ボトックスの適応も美容目的だけでなく、
顔面痙攣、斜頚、顔面神経麻痺、偏頭痛など多岐にわたっています。
呼吸器障害が起こったということは、
1)頚部に注入して横隔神経麻痺になった。
2)多量に注入して全身に作用が及んだ。
3)アナフィラキシーショックで急性呼吸不全を起こした。
などが考えられますが、
1)、2)は通常の日本の美容外科でのボトックス治療では
有り得ない話です。
頚部に注入することはあってもごく浅い皮下へであって
神経があるような深部ではありません。
また使用量も極量をはるかに下回る量でしかありません。
日本での副作用の情報はグラクソ・スミスクライン社のサイト
http://glaxosmithkline.co.jp/medical/excl/botox/04.html
で見られますが、
呼吸器障害は2932例中「鼻閉1例」、「痰1例」、
「息苦しい1例」、「咳1例」、「鼻出血1例」で
すべて発生頻度は0.03%にすぎません。
重症な呼吸器不全は報告されていません。
死亡については「痙性斜頸の国内臨床試験において
本剤との因果関係が完全には否定しきれない突然死が
1例報告されている。」のみです。
どうも斜頚など頚部の治療で使われたときに
副作用も多いようなので
米国での「重大な副作用」もそういう状況下で
多くは起こったのではないかと推測されますが、
現時点では詳細は発表されていません。
3)はどんな薬剤でも可能性はあるのですが、
少なくともボトックスが他の薬剤より危険だとはとうてい思えません。
むしろ逆でボトックスはアレルギーの発生も
極めて少ないというのが率直な印象です。
私はボトックスが日本で使われるようになってから
ずっとその診療に携わってきましたが、
ボトックスに対するアレルギーは教科書的には知っていても、
実際には見たことも聞いたこともありません。
FDAの正式なコメントが出てからまた改めて書きますが、
ボトックスは現在のような適応、量で使用する限りにおいて
極めて安全な施術であるとの認識に変わりはありません。
すべての薬剤が適正に使われるべきですが、
それはボトックスに限った話ではありません。


